奥深い山の中や原野、海岸べりなど、大自然の中にあり、そこに通じる道もないような人里離れた駅のこと。1999年10月に「秘境駅へ行こう!」というホームページを開設し、ブームの火付け役となった牛山隆信が命名。モータリゼーションの普及や過疎化の進行などにより、利用者がほとんどいなくなったそのような駅は、路線そのものが廃止されることが多く、奇跡的に残った貴重な存在といえる。辺境のローカル線だけでなく、特急などが通過する幹線にも見られるが、各駅停車でさえ通過してしまったり、工事関係者専用で一般客は乗降できない駅などもあり、たどり着くこと自体が困難なことが多い。しかし、古色蒼然とした駅舎や、孤独感をいや増す周辺の荒涼たる風景などがある種の癒しともなり、多くの鉄道ファンをひきつけている。牛山のホームページは開設以来約250万人がアクセス、牛山自身や他の鉄道ライターなどによる関連書籍やDVDなどが数多く発売され、週刊誌やテレビの特集なども相次いでいる。また、鉄道会社や旅行業界でも、これを題材にご当地検定やツアーなどを企画、ブームに便乗する動きを見せている。