おもにアジアやアフリカの熱帯雨林などで狩猟され、食用とされる野生動物の肉のこと。動物の種類は問わない。アフリカでは貴重なたんぱく源の一つとして、自家消費のための狩猟が伝統的に行われ、野生動物の肉が食されてきた。しかし、近年では人口増加に伴う食糧確保のために、牛肉や鶏肉よりも手頃に安く入手できる肉として商業化されたり、珍味として先進国に密輸されたりして、大量消費による違法な密猟が横行し、生態系への悪影響が懸念されている。売買目的の狩猟が禁じられている、絶滅危惧種のマルミミゾウや、ニシローランドゴリラやチンパンジーなどの霊長類の肉も市場に出回っており、絶滅の危機に拍車をかける一因になっている。ブッシュミートの利用に関する問題は、2012年10月にインドのハイデラバードで開催された生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)でも取り上げられ、野生動物の持続可能な利用を促す勧告の採択や、国連食糧農業機関(FAO)などとの協力による途上国の食糧支援などを決定した。