学術、芸術、そのほかの幅広い分野で、日本の文化の向上と発達に功績顕著な者の栄誉をたたえ、顕彰する制度。1951年(昭和26)4月に文化功労者年金法により制定され、終身年金が支給される。同様の趣旨で37年(昭和12)に始まった文化勲章(Order of Culture)は、「栄典の授与はいかなる特権も伴わない」という憲法の規定で金銭給付がともなわず、これを補うような形で創設された。現在の年金額は350万円。当初は、それまでの文化勲章受章者が文化功労者となったが、その後は、文化勲章受章者は文化功労者のなかから選考されることになった。文化功労者の選定は、文部科学省に設置された文化審議会文化功労者選考分科会からの答申を受けて、文部科学大臣が決定する。第1回は、小説家の志賀直哉、物理学者の湯川秀樹など34人が選考された。55年以降は、文化勲章と同じく11月3日の文化の日に発令されるようになり、現在は毎年15人が選ばれる。2009年度の顕彰者は、角界からは初となる元横綱大鵬の納谷幸喜、小説家の宮尾登美子など。ちなみに、文化勲章受章者の選定は、文化功労者選考分科会からの答申を受けて文部科学大臣が首相に推薦、内閣府賞勲局での審査を経て、毎年5人の受章者が閣議決定される。