文化勲章は、学術、芸術、そのほかの幅広い分野で、日本の文化の向上と発達に顕著な功績が認められた人々に授与される勲章のこと。1937年(昭和12)に文化勲章令が制定されて始まった。現在、文化勲章の受章者は文化功労者から選ばれることになっており、文化審議会文化功労者選考分科会からの答申を受けて文部科学大臣が首相に推薦、内閣府賞勲局での審査を経て、毎年5人が閣議決定される。11月3日文化の日に発令される。2011年の文化勲章受章者は10月25日に発表され、親授式は11月3日に皇居で行われた。5人の受章者とその業績は以下の通り。
赤崎勇(名城大学教授)、半導体電子工学の分野で、青色発光ダイオード(青色LED)の実用化について根幹となる業績を達成した。大樋年朗(陶芸家)、陶芸の伝統を受け継ぎつつ、現代的な作品を制作、陶壁など建築装飾にも取り組むなど、革新的な作陶を続けた。丸谷才一(作家)、明治から大正にかけて日本文壇に形成された私小説的な伝統を根底から覆した。三谷太一郎(東京大学名誉教授)、日本政治外交史の分野で、大正デモクラシー期の研究を通じ、政党政治の形成を解明した。柳田充弘(沖縄科学技術研究基盤整備機構ユニット代表研究者)、染色体の分配機構、細胞周期の制御機構を解明し、分子遺伝学、分子生理学の発展に寄与した。