使用人女性であるメイド(メード)のスタイルをウエートレスに採り入れた喫茶店。酒類を提供する店や、それを専門とするメイドバーなどもあり、テーブルチャージ料金が発生することも多い。2000年代に入って数年ほどたったころから、東京の秋葉原を中心にさまざまな店舗が登場し、昨今では全国的に広がっている。広くメイドカフェとも呼ばれるが、「メイドカフェ」と「Maid Cafe」は株式会社アトム(東京都台東区)が06年に商標の権利者になっている。かつてのイギリスなどで見られたフリル付きカチューシャとエプロンドレス様式のメイド服を着た「メイドさん」が給仕するとともに、客が来店した際には「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」などと迎え、客が店を出る際には「いってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様」などと送り出すのが基本のフォーマットとなる。メイド服に大幅なアレンジを加え、スカート丈を短くしたり、色合いを明るくしたりする場合も多く、また、ミニスカートとオーバーニーソックスの間に素肌の太ももを見せる、いわゆる絶対領域を設けることも定番になっている。中には、メイドさんとちょっとした会話や簡単なゲーム、記念撮影を楽しめる店や、ライブステージなどのイベントを開催するような店もあるが、基本的には、ウエートレスがコスプレをしてメイドを演じている飲食店と位置づけられ、コミュニケーションを楽しませる業種ではない。メイド喫茶は店ごとの特徴付けが顕著であることもあり、その後、執事カフェ、妹カフェ、制服カフェ、コスプレ喫茶などの多彩なバリエーションを派生させる原点となった。