大相撲の決まり手(勝負が決まった際の技)の一つで、日本相撲協会の定義では、四つに組み、相手のまわしを十分に引きつけて、自分の片足のひざか股を相手の内股に入れ、その足に相手の体を乗せるようにつり気味にして振り上げ、投げること。八十二手ある決まり手の中でもめったに見られない大技の一つで、幕内では1975年に青葉山が福ノ花に決めて以来、例がなかった。2009年7月24日の大相撲七月場所(名古屋場所)13日目、横綱朝青龍が大関日馬富士との取り組みで、34年ぶりにこの技で勝利を挙げ注目を集めた。朝青龍は、右下手、左上手の体勢から、左ひざを日馬富士の内股に入れて大きく跳ね上げ、そのまま右にひねって裏返し、背中から豪快に土俵にたたきつけた。櫓投げはモンゴル相撲ではタタフという基本技で、朝青龍はモンゴル帰国時や巡業でも練習しており、以前から狙っていたという。朝青龍は09年の五月場所(夏場所)で、日馬富士に外掛けを食らって腰を強打し、しばらく起き上がれなくなるという衝撃的な完敗を喫しており、日馬富士はその勢いのまま初優勝。今場所では横綱が豪快な大技でリベンジを果たした形となった。