ウィンタースポーツのカーリングで、チームの司令塔であるスキップやストーンの投球者が、ブルーム(ブラシ)で氷上を掃く選手に伝える指示の一種。ヤーは「掃け」、ウォーは「掃くな」の意味で、チームによっては「掃け」をイエス、ヤップ、「掃くな」をノー、オフなどということもある。2010年2月開催のバンクーバー冬季オリンピックでは、女子カーリングのチーム青森の健闘が注目を集めたが、テレビを通して選手間の指示のかけ声が伝わったことから、日本カーリング協会には、その意味を尋ねる問い合わせが数多く寄せられたという。氷上を掃いてペブル(氷の粒)を溶かし、ストーンの進路を調整するカーリングでは、掃き手とスキップの間で様々な指示が交わされる。チーム青森は、声の強弱などで掃き方を指示するが、外国勢では「ハード」「ハリー」で掃き方を指示するチームも多い。さらに、「まったく掃かない場合」のストーンの停止位置を、掃き手が1~10の数字でスキップに知らせる場合がある。これは、ハウス(目標の円)の前後にある2本の線の間を投球者側から順に1~10のエリアに区分し、そのどこに止まるかを伝えるもので、停止位置はストップウオッチで計ったストーンの移動時間(速さ)から予測する。なお、冬季オリンピックのカーリングでは、06年開催のトリノ大会から、全選手にワイヤレスマイクを付けて選手の声を伝えている。