文化功労者は学術、芸術、そのほかの幅広い分野で、日本の文化の向上と発達の功労者の栄誉をたたえ、顕彰する制度。1951(昭和26)年4月に文化功労者年金法により制定され、顕彰者には終身年金が支給される。毎年15人が11月3日文化の日に発令され、また、文化勲章受章者は文化功労者から選ばれることになっている。2010年の文化功労者は10月26日に発表された。顕彰者は文化勲章受章が決まったノーベル化学賞の鈴木章、根岸英一を加えた17人で、顕彰式は11月4日に東京都内ホテルオークラ東京で行われた。おもな顕彰者とその業績は以下の通り。
市川猿之助(歌舞伎俳優)、古典演目の復活や新演出の創出に力を注ぎ、スーパー歌舞伎の創始で新たな領域を開拓した。王貞治(元プロ野球選手・監督)、選手として現役通算868本の本塁打を記録、引退後も巨人やソフトバンクホークスの監督を務め、06年のワールド・ベースボール・クラシックでは監督として日本代表を優勝に導く。大野和士(指揮者)、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を務めるなど、世界的に活躍し高い評価を得ている。水木しげる(漫画家)、「ゲゲゲの鬼太郎」で漫画家として脚光を浴びるとともに、独自の妖怪研究を進めた。山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所長)、幹細胞生物学において、iPS細胞作成をマウス、ヒトの細胞で世界で初めて成功させた。吉永小百合(女優)、日活青春映画の看板女優として圧倒的な人気を獲得、その後も映画界で業績を重ねた。映画女優としては初の選出。