文化功労者は学術、芸術、そのほかの幅広い分野で、日本の文化の向上と発達の功労者の栄誉をたたえ、顕彰する制度。1951年(昭和26)4月に文化功労者年金法により制定され、顕彰者には終身年金が支給される。文化審議会文化功労者選考分科会からの答申を受けて文部科学大臣が決定する。毎年15人が選ばれ、11月3日文化の日に発令される。文化勲章受章者は文化功労者から選ばれることになっている。2011年の文化功労者は10月25日に発表され、顕彰式は11月4日、東京虎ノ門にあるホテルオークラ東京で行われた。おもな顕彰者とその業績は以下の通り。
五百旗頭真(防衛大学校長)、占領期の日米関係を研究、戦後日本政治の立ち位置や外交問題を国際水準で議論した。遠藤章(バイオファーム研究所長)、血中コレステロール値を下げる物質を青カビから精製、高脂血症治療薬「スタチン」開発への道を開いた。大滝秀治(俳優)、劇団民芸の中心俳優として、ひょうひょうとした中にも熱情を感じさせる独特の演技で、演劇界に新風を送り続ける。加賀乙彦(小説家)、精神医学に立脚した優れた小説や文芸評論で、現代文学に新生面を切り開いた。山口昌男(東京外国語大学名誉教授)、文化人類学で魅力的な道化論、トリックスター論を導いた。また、演劇・映画・漫画など広い分野に大きな刺激を与えた。