サッカー選手が国際移籍する際、移籍先クラブが移籍金とは別に出身クラブに支払う対価。国際サッカー連盟(FIFA)の規約に基づき、優秀な選手を育てたクラブの貢献を評価するもので、満12歳から23歳までに所属したすべてのクラブを対象に、移籍金の5%を分配する。分配の内訳は、12~15歳まで在籍したクラブには移籍金の0.25%×在籍年数、16~23歳まで在籍したクラブには同0.5%×在籍年数とされる。2012年7月、ドイツ・ブンデスリーガのドルトムントからイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した香川真司の場合、移籍金は推定15億円。これに基づき、12~16歳まで所属した地元サッカークラブ「FCみやぎバルセロナ」(仙台市)にも約2000万円が支払われることになり、大きな話題となった。日本選手では、これまでCSKAモスクワ(ロシア・プレミアリーグ)の本田圭佑やインテル・ミラノ(イタリア・セリエA)の長友佑都が移籍した際にも、出身クラブなどに配分されている。移籍のたびに発生するので、ヨーロッパや南米では、選手を育てる動機づけとなっているが、書類はすべて英語で作成しなければならず、育成組織に学校の部活動が大きな比重を占める日本の事情に合わないところもある。例えば、10年に鹿島からブンデスリーガのシャルケに移籍した内田篤人の場合、それ以前に所属していた清水東高校では、手続きがよくわからないうえに、公立校であることから多額の現金を管理できないため、申請していないという。