カトリックで、殉教や奇蹟を示すなど、徳と聖性を兼ね備えた信徒に与えられる称号で、「聖人」に次ぐ尊崇の対象。2007年2月6日、教皇庁列聖省で開かれた枢機卿会議において、江戸時代初期の日本人殉教者188人を福者に列すること(列福)が了承され、同年6月1日、教皇の最終裁可が下りて、正式認定された。この188人は、1981年、前教皇ヨハネ・パウロ2世の日本訪問を機に、日本カトリック司教協議会が調査を始め、96年に教皇庁に申請したもの。この中には、ローマへ渡ってイエズス会司祭となり、帰国後江戸で拷問死したペトロ岐部(遠藤周作「銃と十字架」の主人公)や、天正遣欧少年使節のひとり、中浦ジュリアンも含まれている。これまで日本には、豊臣秀吉に処刑された26聖人をはじめ、42人の聖人と205人の福者がいる。