ソニー・ミュージックエンタテインメントが開発した、高音質CD(コンパクトディスク)。最新のディスクメディア「BD(ブルーレイディスク)」に用いられる製造技術や素材を応用して製造される。直径12cmのディスクメディアは、音声や映像の質を向上させるにあたり、より多くの信号を記録するべく、順次容量の増大が果たされてきた。大まかには、音楽用のCD(6.4×106バイト)から始まり、映像用のDVD(1層4.7×109バイト)を経て、ハイビジョン映像用のBD(1層25×109バイト)に進展。この成果は再生機器の性能向上だけではなく、ディスクの製造工程や素材品質の向上によるところも大きい。BDにCDの約35倍もの信号を記録するためには、信号を表す凹凸、すなわちピットを極めて細かく、きれいに形成しなければならず、同時に、その微細な凹凸を正確に再現できる素材も求められた。ブルースペックCDは、このBDと同様に、ブルーレーザーダイオードによる極微細加工で金型原盤を作製し、転写性の高い高分子ポリカーボネートを導入して製造される。ピット一つひとつの形状が明確で、信号の読み取り精度が向上するため、より音源に近い再生が実現する。「SHM-CD」や「HQCD(Hi Quality CD)」という、同様のコンセプトによる高音質CDも登場しており、それぞれに個別の特長をもつ。これらはすべて通常のCDプレーヤーで再生でき、どれも、ある程度以上のオーディオ機器があれば、音質の差は明確に認識できる。