SQとは「Social Quotient(ソーシャル・クオーシェント)」の略で、社会とのかかわりを重視する価値観のこと。「身近な他者への手助けによって、人がどのくらい幸せになるかを表す指数」または「幸福度を高めるような他者とのかかわりの力を表す指数」を言う。関西学院大学社会学部の鈴木謙介准教授が監修し、マーケティング会社のシタシオンジャパン(東京都中央区)が行った、東日本大震災後の意識調査(2011年10月26日発表)で、「絆」「家族」「縁」「他者への配慮・思いやり」など“社会とのかかわりを重視する価値観”が強く見られ、その傾向が顕在化していることが判明した。そのかかわりの価値基準を「SQ」として提唱。現代社会を生きていく上で、これから必要なスキルになると注目されている。調査結果から浮上したキーワードは、他者への貢「献」、「広」範囲での協力、モノより「心」、「次」世代志向の4つ。鈴木准教授は、この「献」「広」「心」「次」の4つの漢字が幸福度を高める社会貢献の在り方の要素であるとし、社会性を求める気持ちや、家族や身近な友人以外の他者との“かかわり”を求め協力し合う心が、幸福度を高めるとしている。11年11月、鈴木准教授は「SQ“かかわり”の知能指数」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版した。なお、[SQ」という概念は、EQ(心の知能指数)を普及させた心理学者ダニエル・ゴールマンが、07年に「SQ生き方の知能指数」(日本経済新聞出版社)の中で、「社会的知性」として提唱したものもあるが、それとは別の概念である。