サントリーと、オーストラリアのフロリジン社が共同で、パンジーから青い色素「デルフィニジン(delphinidin)」をつくる遺伝子を抽出し、遺伝子組み換え技術で開発したバラのこと。2004年に、世界初となる開発に成功していたが、09年に日本国内で一般販売すると発表した。これまで、赤色色素の含有量が少ないために、青みがかって見えるバラはあったが、青い色素をつくり出す遺伝子をもつバラは自然界に存在しないために、青いバラの開発は、技術的に非常に困難とされた。英語でblue roseといえば、「不可能の代名詞」とされ、「ありえないこと」「実現できないこと」を意味する。08年1月31日に、環境省と農林水産省より、カルタヘナ法(遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)に基づく承認を受け、ついに一般販売されることで、注目を集めている。同じく、デルフィニジンをつくる遺伝子をカーネーションに組み込んだ、青いカーネーションは、サントリーフラワーズ株式会社より「ムーンダスト」という商品名で、1997年から一般販売されている。