皮膚にニードル(針)で色素を注入して、まゆや目の上下のアイラインを描いたり、くちびるの色合いを美しく見せたりする美容施術。アートメーキング、パーマネントメイク、コスメティックタトゥーとも呼ばれる。一種の入れ墨だが、皮膚のごく浅い部分に色素を入れることで自然に見え、3年程度で薄くなって消える。「顔を洗っても落ちないメイク」として、女性に人気があり広がりをみせる一方で、近年、施術にまつわるトラブル例も増えている。国民生活センターによると、2006年からの5年間に「施術部分が化膿した」「角膜に傷がついた」「痛みや腫れがひかない」「イメージと違う」など、アートメークの危害に関する相談が121件寄せられている。本来、人の皮膚に針で色素を入れるアートメークは危険性の高い行為であり、日本では医師免許をもたない者が施術を行えば医師法違反に当たるが、アートメークサロンやエステティックサロンなど、医師免許のない業者による施術も多いのが現状である。同センターでは、アートメークは入れ墨であることを認識し、希望するときには医療機関で行うよう注意を呼びかけている。