さいたま市北区盆栽町(旧・大宮市盆栽町)周辺を産地とする盆栽。同地は、関東大震災以降、関東周辺の盆栽業者が数多く移り住み、1925年「大宮盆栽村」を形成。香川県高松市などと並ぶ盆栽の一大集積地となった。現在も、5軒の盆栽園を擁し、97年には国土交通省の「都市景観100選」にも選ばれている。盆栽は、四季や生命に対する日本人の美意識や感性を凝縮した芸術として、近年海外でも高い評価を受け、「BONSAI」は国際語として定着している。知名度の点で苦戦する「大宮盆栽」は、市や地元業界がブランド化に乗り出し、97年から毎年「大宮Bonsai大学」を開催して気軽に体験できる機会をつくり、2003年には雑貨などの盆栽グッズ専門店をオープン。10年には世界初の公立盆栽美術館「大宮盆栽美術館」を開館させるなど、盆栽文化の発信に力を注いできた。11年度には、さいたま国際観光協会などを中心とした「大宮盆栽海外展開プロジェクト」が、中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に採択され、海外展開を本格化。特にヨーロッパをターゲットにイベント参加や市場調査などを進めている。その一環として、12年には、10年に1度オランダで開かれる世界最大級の国際園芸博覧会「フロリアード2012」(5月)、2年に1度イタリアで開かれる盆栽展「クレスピカップ2012」(9月)、2年に1度パリのルーブル美術館別館で開催されるフランス工芸品の祭典「第7回カルーゼル・デュ・ルーブル展示会」(12月)に相次いで出展。大宮盆栽の魅力を広くアピールした。