呼気から一定以上のアルコールが検出された場合、車のエンジンを始動しないようにする飲酒運転防止装置。イグニッション・インターロック(ignition interlock)、アルコール・イグニッション・インターロック(alcohol ignition interlock)などとも呼ばれ、欧米ではすでに実用化・導入されている。例えば、アメリカでは40州以上で法制化され、飲酒運転違反者はアルコール・インターロックの装着が義務づけられている。また、スウェーデンでは、飲酒運転違反者への導入のほか、政府機関が購入する車に同装置の搭載を課している。日本でも、国土交通省が2007年1月に「アルコール・インターロック装置に関する検討会」を設置して技術動向や基礎情報の収集を始め、07年12月には技術指針案を策定した。08年11月半ばからは、内閣府が中心となって、アルコール・インターロックの有効性を調べる実験を開始する。今後は、臭気センサーなどの呼気式以外の最新技術の取り込みも検討する。なお、アルコール・インターロックの技術基準は、1992年に策定されたNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)ガイドラインと、2005年に策定されたCENELEC(欧州電気標準化委員会)ガイドラインがあり、NHTSAガイドラインは半導体式を、CENELECガイドラインは電気化学式を前提にしている。日本では技術の進捗を考慮しているCENELECガイドラインをベースにしており、NHTSAガイドラインも現在改定中である。