日産自動車が「ぶつからないクルマ」をテーマとして開発した、高さ48cmの小型の3輪ロボットカー。2009年10月1日に発表し、同月に開催されたシーテックジャパン2009(CEATEC JAPAN 2009)で一般に公開した。モーターにより人がゆっくり歩く程度の速度、時速約1.4kmで走行し、最大7台が群れを作って障害物をよけながら、お互い同士はぶつからずに進むことができる。魚の群れが障害物を巧みによけながら、集団の中でもぶつからないで泳ぐ動きをヒントにした走行制御と認識技術を搭載したことで、この動きが可能となった。走行制御では、魚群が互いの距離に応じて「衝突回避」「並走」「接近」の三つのルールで動きを変化させている点を取り入れ、近い距離では「衝突回避」として仲間とぶつからないように進行方向を変え、中程度の距離では「並走」として仲間との距離を保つために速度を合わせようとし、距離が離れると「接近」として仲間と遠すぎるので近づこうとする制御を行う。周囲環境の認識技術では、魚が使う衝突回避のための「側線感覚」と並走・接近のための「視覚」について、「側線感覚」の役割をレーザー光の反射を計測して距離を検出する光学センサーのレーザーレンジファインダーで、「視覚」の役割をパルス信号を送信して反射する時間差から対象物との距離を計測するUWB(超広帯域)無線で、再現することに成功した。エポロの商品化予定はないが、高度な行動制御や周囲状態の認識技術は、将来の自動車の安全性や移動効率の向上につながる技術として、発展に期待がもたれる。