2008年5月から9月にかけてスターツ出版が運営するケータイ小説サイト「野いちご」に連載されたケータイ小説。著者は「ぱーぷる」。両親の離婚に悩む女子高生の「ユーリ」が、複数の男と関係を結ぶ自暴自棄な生活を送るが、どこか影のあるミステリアスな男「ヒカル」と恋に落ち、過酷な運命に翻弄されつつも、家族愛に目覚め、再生していく物語。ケータイ小説らしいシンプルでテンポ良く読める文体で、約25万ページビューを記録していた。08年9月24日、第3回日本ケータイ小説大賞の授賞式で、名誉実行委員長を務める文化勲章受章作家で、86歳の瀬戸内寂聴が、自分がぱーぷるの正体であることを告白した。瀬戸内は、ケータイ小説大賞にかかわってケータイ小説を読むうちに、自分でも書いてみようと思ったという。08年は「源氏物語」の千年紀で、自身も現代語訳を手がけたこともあり、ぱーぷるは紫式部、ヒカルは光源氏から、ストーリーは「藤壺」をモデルにしたという。公表以来「野いちご」の「あしたの虹」ページは、250万ページビューを超える注目を集めており、ケータイ小説らしいパステルカラーの装丁が施された書籍版も、9月25日に毎日新聞社より刊行された。「野いちご」のアドレスはhttp://no-ichigo.jp/。