イタリア、ローマの古代遺跡。「フラウィウス円形闘技場」の通称。なお現在日本では、イタリア語での呼称「コロッセオ(Colosseo)」が一般的。古代ローマ時代、西暦72年頃にウェスパシアヌス帝が起工し、80年頃、ティトゥス帝の時代に完成。コンクリート造の表面は大理石で飾られ、複数の建築様式の装飾が施された。周囲は約527メートル、4階建て、高さは約48.5メートルで、収容人数は約5万人といわれる。同遺跡では皇帝主催の剣闘士による格闘や猛獣狩りなどが行われ、それらの催し物は当時の市民の娯楽となっていた。1980年、同遺跡はカラカラ浴場やパンテオンなどの遺跡を含め、イタリアとバチカン市国が有する「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」として国連教育科学文化機関(UNESCO ユネスコ)の世界遺産に登録された。毎年約500万人の観光客が訪れる世界有数の観光地となっている。一方、同遺跡は2010年頃からアーチの一部が崩落するなど劣化の進行が懸念されていたが、12年7月に南側部分が約40センチ、地下に沈んでいることが新たに判明。これを受け、同年12月から大規模な修復工事が行われることになった。