東京開催を目指す夏季オリンピック・パラリンピック招致活動は、2016年大会をブラジルのリオデジャネイロと争って負けた直後に、石原慎太郎前知事が20年開催の再立候補方針を表明し、11年7月に国内立候補都市に決定、同年9月に国際オリンピック委員会(IOC)に立候補を申請したことから始まった。12年2月に東京を含む6つの立候補都市のうちローマが断念し5都市のレースとなった。同年同月、東京都とともに招致活動の担い手となる東京オリンピック・パラリンピック招致委員会(理事長・竹田恒和)がIOCに計画概略を提出。12年5月に第1次選考が行われ、東京、マドリード、イスタンブールの3都市が通過した。同年12月、東京都知事は猪瀬直樹に代わったが招致活動を継承。13年から海外に向けて招致活動が本格的にスタートした。13年1月7日、IOCへ「立候補ファイル(詳細な開催計画)」を提出、翌日から国際PR活動が解禁となった。東京は立候補ファイルで、(1)競技場の85%は選手村を中心とする8キロ圏内に配置、(2)太陽光パネル、低公害車など環境にやさしい技術の導入、(3)ホテルの客室は10キロ圏内に8万7000室、50キロ圏内に14万室超、(4)公共交通網の充実など、「究極のコンパクトオリンピック」「世界に類を見ない安全性を誇る都市」を特長としてアピール。また、東日本大震災の被災地を意識した「復興オリンピック」をもう一つのテーマに掲げている。今後、日本オリンピック委員会(JOC)は招致レースを有利にするため幹部をヨーロッパに派遣するなどして体制を強化する。招致に向けたスケジュールは、13年1~2月にIOCによる世論調査、3月にIOC評価委員会の現地視察、7月にIOC委員への開催計画の説明を経て、9月のIOC総会で開催都市が決定する。