パール剤を混ぜた化粧品を使って、複雑な光の反射効果を肌にもたらす化粧法、あるいはその状態の肌の総称。シルクのように柔らかな光沢や透明感を演出するとともに、くすみなどを目立たなくする効果もある。パール剤はパール顔料(pearl powder)とも呼ばれ、水晶やガラスなどと同じくケイ素を含むマイカなどの鉱物、あるいは金属系のビスマスなどを細かな粉末にしたもの。光を複雑に反射して真珠のような光沢を作るため、自動車から携帯電話の塗装まで幅広く利用され、手作り化粧品の素材としても販売されている。粒子の径が数十μm(μmは100万分の1m)のものでは、ラメ状の金属光沢を発し、細かくなるほど落ち着いた光沢になる。従来は、アイシャドーや口紅など、アクセントに使う化粧品を中心に活用されてきたが、昨今では、より細かな粒子を作れるようになり、ベースメークやハイライトに用いた場合でも、ごく自然な光沢感を得られるようになった。パール剤は基本的に白色の粉末で、その反射光も白色だが、白色光には赤~黄~青の光が混ざっているため、加工次第でピンクやブルー、グリーンなど、一部の色だけが反射するようにもできる。また、酸化金属などによって粒子自体に着色を施したり、肌になじむ性質を加えたりと、さまざまな特性をもつ顔料も登場。そうして開発された多彩な化粧品の使い分けにより、光沢や色合いの異なるものを組み合わせるなど、バリエーションの広い用法がなされている。