自然公園法に基づき、国の風景を代表するような景勝地を環境大臣が指定して、その地域の自然を保護し、国民の健康増進や休養などに利用するための公園。国立公園は、日本の景観を代表するとともに世界的にも誇れるような景勝地を環境省が管理するもので、全国29カ所。国定公園は、国立公園に準ずる景勝地として都道府県が管理するもので、全国に56カ所あり、国立・国定公園を合わせると、日本の国土の約9%に及ぶ。指定されると建物を建てたり、土地を改変するなどの開発は規制されるが、国立公園には26%、国定公園には40%の私有地が含まれている。自然公園法にはもう一つ、都道府県の条例に基づき都道府県知事が指定する都道府県立自然公園がある。2010年10月4日、環境省は、貴重な固有種が集中しているなどを基準に、全国335地域から絞り込んだ18カ所を、新たな国立・国定公園の候補地として公表した。全国的な見直しは39年ぶりで、アマミノクロウサギをはじめ多くの固有種が生息し、国内最大規模の亜熱帯林やマングローブ林がある奄美群島、絶滅の恐れがあるヤンバルクイナが生息するやんばる(沖縄島北部)や、タンチョウやオオワシが生息する北海道東部の湿地群などが新規指定の候補地となった。また、三陸海岸や南アルプスなどが国立公園の拡張候補地となった。環境省では地元との調整を進め、今後10年以内には指定を終えたいとしている。