毎年7月第2週に、モナコのモンテカルロで開催されるバックギャモンの世界選手権。主催はアメリカの広告会社The IPATT GROUP。第36回大会は2011年7月15~23日に行われ、個人戦で日本バックギャモン協会に所属する医師の鈴木琢光がイタリアのファビオ・グロッタを破り、初優勝した。日本人の世界チャンピオンは、第34回の望月正行プロに次いで2人目。また3人で行うチーム戦でも、将棋棋士の片上大輔六段と皆上強志、那須雅彦の日本チームが初優勝した。バックギャモンは、盤上で2個のサイコロの目に従っておのおの15個の駒を進めるレースゲーム。起源は古代メソポタミアとも古代エジプトとも言われ、日本には6世紀ごろ中国から伝わったとされる。「雙六(双六;すごろく)」や「盤雙六」と呼ばれ、正倉院宝物にも、聖武天皇が愛用した「木画紫檀雙六局(もくがしたんのすごろくきょく)」が残る。また「平家物語」でも、白河法皇が「天下三不如意(意のままにならぬもの)」として「賀茂河の水、双六の賽(さい)、山法師(僧兵)」を挙げている。賭博性が強く、しばしば禁止令が出るほど流行したが、江戸時代後期に衰退した。一方世界では、1743年にイギリスのエドモンド・ホイルがルールや戦略を整理。さらに1925年、アメリカで「ダブリング」ルール(そのゲームを勝った時の勝ち点を倍にするルール)が考案され、現在のルールが確立された。競技人口は3億人以上という。