沢の脇や水中を遡行して山を登ること。時には泳いだり、滝をよじ登ることもある。急峻な山と渓流の多い日本独自の伝統登山。登山技術を応用した水遊びと見る人もいる。夏の暑い時期、涼を求めて行われることが多い。水しぶきを直接浴びるような登攀(とはん)部分を「シャワークライミング」と呼ぶこともある。水の中を歩くには、フェルト底の渓流用履物が必携で、渓流シューズ、渓流足袋、わらじ風のサンダルなどがある。ほかにも落石や転倒時に頭を保護するヘルメット、ロープ(ザイル)、ロープで体を保持するためのハーネス、ロープの支点となるハーケンなどの登山用具と、これらを使いこなすロープワーク、ハーケン打ち、ロッククライミングなどの登山技術、そしてこれに見合った体力が必要となる。また滝つぼなどで泳ぐためのライフジャケットや、水抜きのできるザックもよく使われ、専用のアンダーウエアやスパッツ、ソックスなども市販されている。人気の高まりにつれて事故も増え、2010年7月25日には、埼玉県秩父市の奥秩父山系で、沢登り中滝つぼに落ちた女性を救助していた県の防災ヘリコプターが墜落し、女性を含む計6人が亡くなる事故が起きた。また同月31日、この事故現場を取材しようと入山した日本テレビ報道局の記者とカメラマンが、沢伝いに現場へ行こうとして事故死している。