日本アニメーション映画の創始者の一人、幸内純一監督作品で、1917年6月に公開された日本最古のアニメの一つ。東京国立近代美術館フィルムセンターがデジタル技術で復元し、2008年3月26日、記者会見で披露された。フィルムも資料も残っておらず、長く内容は不明のままだったが、07年7月、映像文化史家の松本夏樹が、大阪市内の骨董(こっとう)市で発見した。「塙凹内名刀之巻(はなわへこないめいとうのまき)」のサブタイトルが付いた同作の内容は、切れないなまくら刀を買わされた侍が、試し切りをしようと飛脚などを襲うが、返り討ちにあうというもので、上映時間約2分。フィルムセンターでは、08年4月24日から始まる企画「発掘された映画たち2008」で、同時に発見された「浦島太郎」(1918年公開)とともに公開する。なお、国産アニメ第1号は、同じ17年の1月に公開された「芋川椋三玄関番の巻」(下川凹天監督)とされるが、現在のところ未発見。