勝間和代のファン「カツマー」に対して、精神科医の香山リカの著書『しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(幻冬舎、2009年7月30日発行)に共感する読者を指す言葉。雑誌「AERA」(朝日新聞出版)09年10月12日号の特集記事で登場した。勝間和代は、大学在学中に当時史上最年少で会計士補の資格を取得し、3児の母でありながら子育てとビジネスを両立させ、自らの成功経験をもとに、さまざまなビジネス書や自己啓発書を著して、ベストセラーを連発しているカリスマ経済評論家。彼女の生き方や考え方にあこがれ、著書を愛読して、実践している読者たちはカツマーと呼ばれている。香山は、『しがみつかない生き方』の最終章で「〈勝間和代〉を目指さない」という章を設け、世の中にあふれている「がんばれば夢はかなう」といった前向きなメッセージに対して、精神科医としての経験から、世の中には夢のために努力したくても、それができない状況の人がおり、努力をしても運悪く失敗して窮地に陥ることもあると指摘。成功者たちには、成功したのは運ではなく、自分の努力の結果と思いたい心理があり、失敗者と紙一重の立場だという不安から逃れるための否認を行っているが、うまくいっているのは運がよかったから、という紛れもない真実もしっかり認める力をつけるべきで、そもそもすべての人が成功者のような人生を歩む必要があるのだろうか、といった疑問を呈している。同書は、09年10月時点で37万部を突破するヒットとなっている。