プロ野球の野球協約による規定で、個人的理由により野球活動を休止する選手のこと。1996年にフリーエージェント(FA)権をもたない伊良部秀輝投手が強行突破でアメリカ大リーグへ移籍したことが契機となり、98年にアメリカの協約にならい野球協約第60条2項として規定が加えられた。日本プロ野球組織(NPB)のコミッショナーが、球団からの申請に基づき制限選手として公示する。制限選手は球団に保留権があり、復帰時には同じ球団に戻らなければならない。また球団は制限選手に対し、1日につき参稼報酬(年俸)の300分の1に相当する金額を減額することができる。2011年4月1日、横浜ベイスターズの新外国人投手ブレント・リーチが適用第1号となった。リーチは東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)後の日本での生活に不安を訴え、3月16日にアメリカへ一時帰国。その後、家族の反対で再来日を延期したままチーム合流の見通しが立たなくなったため、横浜からの申請を加藤良三コミッショナーが認めてリーチを制限選手として公示した。さらに4月4日には、読売ジャイアンツの新外国人投手ブライアン・バニスターも同様の経緯で制限選手として公示された。