広島県広島市中区にある、同市が運営する野球場で、プロ野球球団の広島東洋カープの本拠地。カープが誕生した1950年当時、広島市には夜間照明のある球場がなかったため、「ナイター施設のある球場を広島市に作ろう」という市民の声の高まりを受けて、57年2月、地元財界10社の寄付金により広島市が原爆ドーム近くに建設を開始。わずか5カ月の突貫工事で7月に完成し、その2日後に初のナイターとしてカープ対大阪タイガース(現阪神)戦が行われた。敷地面積2万3848m2、グラウンド面積1万2160m2、観客定員は3万2000人。サッカーの試合やプロレス興行、原水爆禁止日本国民会議の世界大会開会式なども行われ、原爆の被害から復興する広島のシンボルとして、市民に親しまれてきた。しかし近年は老朽化が進んできたため、取り壊しが決定。2008年9月28日、カープ対ヤクルト戦が最後の公式戦として行われた。現在、新広島市民球場(仮称)がJR広島駅東側の貨物ヤード跡地に建設中で、09年4月にはこの新球場でカープのシーズン本拠地開幕戦が行われる。