富山県下新川郡入善町で見つかった新種の桜の名前。2004年、町の植生調査中に、入善町の天然記念物である自然林「杉沢の沢スギ」で自生している菊咲き性の桜を発見。町が富山県中央植物園に調査を依頼し、新種であることが判明した。11年12月に日本櫻学会(本部:東京都)で新種であることが発表された。入善乙女キクザクラは、長さ1.5センチ、幅6~9ミリの花びらが100枚以上重なり、直径4~5センチくらいの菊のような花を咲かせる桜で、花びらが徐々に白色からピンク色に変色する。4月中旬ごろから開花し、5月中旬まで鑑賞できる。原木は樹齢20~25年くらいで、高さは約11メートル。幹周りは46センチ。同じく自生する野生種のオクチョウジザクラとカスミザクラの交配から生まれた突然変異種ではないかとみられている。オクチョウジザクラは、青森県から滋賀県にかけて日本海側、特に積雪地帯に自生する桜で、チョウジザクラの変種。カスミザクラは、北海道から四国まで広く自生する桜で、ヤマザクラと似ているため混同されることも多い。