イギリスが発祥の歩行者道の形態で、田園地帯や海岸、市街地などの古い小道を利用して、地域の自然や町並みを楽しむコースを設定したもの。多くが未舗装だが、標識や案内板が整備され、イギリスでは散策やウオーキングの場として親しまれている。19世紀のイギリスで、小道を遮って土地を区割りした地主に反発した市民が、「歩く権利」を主張したのが始まりとされ、現在では「歩く権利法」で指定されれば、私有地を通るコース設定も可能。指定を受けたパブリック・フットパスの総延長は、イギリス国内で20万kmを超える。日本でも、自治体や市民団体が、フットパスの名称で散策路を整備する例が増えており、2006年には、北海道の酪農家集団AB-MOBITが、所有する牧草地をコースに組み込んだフットパスの整備により「まちづくり月間国土交通大臣表彰」を受けた。09年2月の設立を目指して、北海道黒松内町、山形県長井市、東京都町田市、山梨県甲州市が、日本フットパス協会を立ち上げる動きがあるほか、地域の名所を結んだフットパス散策をオプションに採用したツアー商品も登場している。