両手に1本ずつ、2本の刀を持って戦う剣法。江戸時代の剣豪、宮本武蔵が創始した「二天一流」などが知られる。2007年11月3日に行われた第55回全日本剣道選手権大会に、徳島県代表の山名信行六段(徳島県警)が二刀流で出場し、1963年の第11回大会以来となる1勝を挙げて注目を集めた。剣道ではルール上、「二刀」は禁じられておらず、大刀と小刀という長さの異なる竹刀を同時に用いることができる。しかし二刀は戦後の剣道界では異端とされ、92年まで学生剣道連盟による試合では禁じられていたこともあり、使いこなすことができる剣士は少ない。剣道日本一を決める全日本選手権でも、69年の第17回大会を最後に二刀での出場者は途絶えていた。山名六段は宮本武蔵の著書「五輪書」を読み込み、大学時代から11年間修練して実戦に使えるまで鍛えたという。今回の大会では、一回戦で世界選手権団体での優勝経験もある東京都代表の剣士と対戦。延長戦の末、見事一本勝ちを収めた。