イギリスのスピード社が、北京オリンピックに向けて開発した競泳用水着。2008年2月12日に発表された。開発にはNASA(アメリカ航空宇宙局)などが協力、極薄、超軽量、はっ水性と速乾性に優れた素材を使用し、継ぎ目を超音波で溶着した無縫製製法や、水中で体の形を流線形に近づける最新の技術が盛り込まれている。スピード社によれば、同社製の従来モデルに比べて、水中で受ける水着表面の摩擦抵抗が24%減少し、動いたときに受ける受動抵抗も10%軽減したとされる。この水着を着用した選手が競技会で次々と世界新記録を更新し、注目を集めた。記録ラッシュが続いたことから、国際水泳連盟(FINA)が禁じる「推進力や浮力を与える用具」にあたるのでは、との声があがり、FINAが「水着と浮力の関係」について調査に乗り出す事態となった。しかし、4月5日、FINAは、浮力の優位性における科学的証拠はないと発表、着用に問題はないとした。