フリマとはフリーマーケットの略で、文学フリーマーケットの意味。「文学のコミケ」的なイベントの立ち上げを提唱する、評論家・大塚英志らの呼びかけで始まり、2002年11月3日に「第1回文学フリマ」を開催、08年11月までに7回を数え、コミケの文学版ともいわれる。コミケ(コミック・マーケット)は、1975年に始まり、約30年の歴史を刻む日本最大のマンガ同人誌の即売会である。同人誌は作っても、読者が手に取る機会がなければ、商品としては成立しない。コミケというイベントは、購買者と購読者の潜在的なニーズを結びつける機能を果たすことに成功した例である。文学フリマは、コミケ同様に、会場費用を実費で払ってスペースを借り受け、書き手が自らの手で販売し、既成の文壇や文学の枠にとらわれず、プロ・アマの区別もなく誰もが参加ができ、人気の書き手には行列もできる。第1回には出展・来場者は約1000人、以降イベントとして定着しつつある。さらに、新たな書き手の育成を目的に、選考に勝ち抜けば出版社が出版を保証するプロジェクトも立ち上げられた。文学フリマの開催のきっかけは、呼びかけ人の大塚によれば、従来の文学を下支えしてきた商業文芸誌が経済的に厳しい運営に直面し、廃刊や休刊を余儀なくされてきていることにある。既存の出版流通の販路とは異なる市場が必要とされることから、ノミの市的な文学のフリマが提案されたという。(「コミケ」「コミックマーケット」は有限会社コミケットの登録商標名)