1990年に設立された、日本語の小説、評論、戯曲、詩を対象とした賞で、主催は東急文化村。1933年、パリの老舗カフェ「ドゥマゴ」の常連客だった13人の作家、画家、ジャーナリストらが、アンドレ・マルローの著書「人間の条件」のゴンクール賞受賞に触発され、独創的な若い作家に賞を贈ろうと、ドゥマゴ文学賞を創設した。その先進性と独創性を受け継いだBunkamuraドゥマゴ文学賞は、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘することを目的に掲げている。選考委員が一人のみというのが特色で、任期は1年間。第1回の選考委員は蓮實重彦で、受賞作は山田宏一の「トリュフォー―ある映画的人生」。以後、吉本隆明、辻邦生、中沢新一、城山三郎、中村真一郎、筒井康隆、椎名誠、久世光彦、安野光雅、小林信彦、荒川洋治(第12回と17回)、池澤夏樹、浅田彰、富岡多恵子、山田詠美、高橋源一郎、島田雅彦、堀江敏幸、辻原登が選考委員を務めている。第22回(2012年度)の選考委員は高樹のぶ子で、受賞作は金原ひとみの「マザーズ」。