3D映画(立体映画)を通常の2Dの状態で鑑賞するためのメガネで、アメリカの2D-Glasses社による製品。3D映画の方式はいくつかあるが、主流の一つであるRealD社のRealD方式にのみ対応しており、アメリカの大手通販サイトなどで扱われている。3D映像は、左右の目それぞれに微妙に角度の異なった映像を届け、それを脳が立体に錯覚することで成立する。このRealD方式では、円偏光(circularly polarized light)といって、右目用の映像は振動しながら右回転する光に、左目用の映像は振動しながら左回転する光に変換して、1秒あたり144回もの速さで交互にスクリーンに映し出している。そして、この映像は、右回転の光だけを通すレンズを右目に、左回転の光だけを通すレンズを左目にあてがった3Dメガネを通して、左右の目に振り分けられる。しかし、3D映像全般にいえることだが、感覚の鋭敏な人や、逆に目の機能が弱っている人は、こうした映像に不自然なチラツキを感じてしまい、目の疲れや頭痛、吐き気のような、いわゆる「3D酔い」の症状を呈することがある。2D-GLASSESはその対策として逆転の発想で考案され、両方のレンズを左目用にすることで、右目用の映像を遮断して、左目用の映像だけが両方の目に届くようにしてある。昨今、ハリウッドの大作映画を中心に3D映画が増えてきており、中には3D上映のほか2D上映での併映をするケースもあるが、3D上映のみとする映画館も少なくない。そうした折、3D酔いをしてしまう人にとっては有効な対策となる。