2009年12月から10年1月にかけて、世界各地で公開されたジェームズ・キャメロン監督による3D(立体映像)SF映画。1997年公開の映画「タイタニック」で、世界歴代興行収入1位を記録する大ヒットを飛ばしたキャメロン監督が、構想に14年、最新の3D技術を駆使し、4年をかけて製作した新作で、公開以来、リアルで美しく、臨場感あふれる映像が評判を呼び、世界各地でヒットを記録している。物語の舞台は22世紀、宇宙に飛び出した人類は、地球から遠く離れた未開の星、パンドラで、レアメタル(希少金属)を採掘する計画を進めていた。豊かな大自然に覆われたパンドラには、ナビィと呼ばれる、青い肌の人類に似た種族が生息しており、人類の開発計画の障害となっていた。開発計画に参加した元海兵隊員の主人公は、ナビィと人類の遺伝子を掛け合わせて生成された仮の肉体“アバター”をコントロールし、情報収集のため、ナビィたちの集落に潜入するが、彼らのことを知るうちに、任務に疑問を感じるようになっていく……というストーリー。2010年1月には世界での興行収入が、03年のヒット作「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」を抜いて、「タイタニック」に次ぐ歴代2位に浮上した。日本でも09年12月末の公開以来、観客動員ランキングの首位を独走し、公開後3週間で興行収入50億円を突破した。また、キャメロン監督は09年末に来日した際、10年1月4日に93歳で亡くなった、広島と長崎の両方で2度被爆した二重被爆者の山口彊(つとむ)さんを訪問。今後、原爆に関する映画などを構想しているとの報道もされており、早くも次回作が注目を集めている。