情報処理学会が開発したコンピューター将棋ソフト。あから(阿伽羅)とは10の224乗という数を表し、将棋の局面の数に近いことにちなんで命名された。情報処理学会が創立50周年記念事業「トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト」で作り上げた「あから2010」は、世界コンピュータ将棋選手権でトップレベルの実績をもつ「ボナンザ」「激指」「GPS将棋」「YSS」の4つのプログラムで構成され、それぞれが挙げる候補手を多数決で選んで次の指し手にする。2010年10月11日、清水市代女流王将と持ち時間各3時間の特別対局を行い、86手で勝利を収めた。日本将棋連盟は、プロ棋士が許可なく公の場で将棋ソフトと対局することを禁じているが、清水女流王将との対局は、情報処理学会からの挑戦を将棋連盟が受けた形で実現した。プロ棋士とコンピューターとの対局は、07年に渡辺明竜王が当時の最強ソフト「ボナンザ」を破った前例がある。