「小倉百人一首」のかるた取りを、厳格なルールのもとに競技にまで高めたもの。歌の覚え方や札の並べ方、刻々と変わる戦況などに高度な駆け引きと戦術を駆使するマインドスポーツであるとともに、100分の1秒を競うスピードや「札押し」と呼ばれる札取りの技術などから、「畳の上の格闘技」とも呼ばれる。2009年1月10日、競技かるたの最高位を争う「第55期名人位・第53期クイーン位決定戦」が、例年通り「小倉百人一首」巻頭歌を詠んだ天智天皇を祀る滋賀県大津市の近江神宮で開かれ、名人位では東京都葛飾区の会社員西郷直樹(30歳)が史上初の11連覇を成し遂げ、クイーン位では京都市の立命館大学1年生楠木早紀(19歳)が5連覇達成で、史上最年少で永世クイーンとなった。競技かるたのルールを整備したのは明治期のジャーナリスト黒岩涙香とされる。涙香は明治37(1904)年「東京かるた会」を設立し、「第1回かるた大会」を開催。この会の競技規定が、現在も競技かるたの基礎となっている。「名人位戦・クイーン位戦」を主催する社団法人全日本かるた協会によれば、現在の競技人口は約100万人、毎年各地で約60の全国大会が開かれているという。