2011年度から小学校で必修となる「外国語活動」の一環、「小学校英語」の補助教材。小学校英語は、言葉や文化に触れ、会話力の素地を養うのが目的で、対象は5、6年生。それぞれ35時限の必修だが教科ではない。教科書がないため、現場では英語ノートは貴重な教材として使われ、全国9割以上の普及率となっている。英語ノートの著者は文部科学省で、教育出版(本社・東京都千代田区)から刊行。2分冊で9レッスンずつ、1冊税込み152円。1レッスンにつき、各3~4時限の指導内容。イラストや写真を多く使い、あいさつや数の数え方、自己紹介、道案内、オリジナル劇の創作など、コミュニケーションを取りながら、遊びやクイズを通して、英語を興味深く学べるようになっている。小学校英語はほとんどの学校で先行実施され、英語ノートは09年から全児童向けに無償配布されていたが、同年11月に行われた政府の事業仕分けによって「廃止」とされた。文部科学省は、無償配布を11年度までとし、以降は教材をデジタル化し、インターネット経由で提供することを検討していたが、学校関係者からの「廃止」反対の声や反発が大きく、さらにデジタル化することで新たな著作権使用料が発生することや、各学校、教育委員会が負担するコストが数倍になることなど、経費削減にはつながらないことが判明。方針を転換し、11年度中に英語ノートに代わる新たな教材を作成、12年度以降も希望校への無償配布を行うことにし、関連予算を11年度予算の概算要求に盛り込んだ。