東京、神田神社(通称、神田明神)の祭礼「神田祭」で、176年ぶりに復活した、鬼の首の山車(だし)。高さ約4mのバルーンでつくられている。神田祭は、江戸時代、将軍が上覧することから、日枝神社の山王祭とともに天下祭といわれた。2年に一度本祭が行われる。2007年は5月10~15日。もとの祭日は旧暦9月で、江戸時代は山車が練り歩く「附祭(つけまつり)」が主流であり、最盛期には、各町内から33番もの山車が繰り出されたという。しかし明治以後、祭日を5月中旬に変更、戦災などで山車が焼失したことや都市基盤の整備などを理由に、現代は神輿(みこし)中心の祭りになっていた。神田神社は古文書などを参考に、江戸時代の祭りの再現に取り組み、05年の前回には、1790年ころの、地震が起きないようにとの祈りを込めた「大鯰(なまず)と要石」が復元された。2007年今年の「大江山凱陣」は、源頼光らが丹波国の大江山で、鬼の酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治した逸話にちなむ山車である。1831年に描かれた江戸名所図絵を最後に記録は残っていないとのこと。