JR北海道の岩見沢駅に、岩見沢市の公共施設「岩見沢市交流プラザ」や、駅南北の街を結ぶ「有明連絡歩道(自由通路)」が併設された複合施設。鉄筋コンクリートの2階建てで、駅舎としては4代目に当たる。2000年12月に旧駅舎が火災で焼失したのち、04年に全国のJRグループとしては初の試みとなる一般公募型コンペを実施。最優秀賞を獲得した株式会社ワークヴィジョンズのデザインを基に、市民の意見も取り入れ、09年3月にようやく完成。同年11月6日には、財団法人日本産業デザイン振興会(JIDPO)の主催で、優れた工業デザインなどを選ぶ「2009年度グッドデザイン賞」で、2952点の応募の中から大賞(内閣総理大臣賞)を受賞した。駅舎正面外壁を飾るのは、市民有志で立ち上げた「岩見沢レンガプロジェクト」が募集した「刻印レンガ」。希望者の名前と住んでいる町をローマ字で刻んだレンガで、市内外から4777個の応募があった。また、かつて石炭輸送で栄えた「鉄道の街」の記憶を後世に伝えるため、ガラスファサードの窓枠には古レールを使用するなど、市民参加と街の再生を強く意識したデザインが、審査員に高く評価された。