モミやヒイラギなどの常緑樹を輪にしたクリスマスの飾り。植物のツルを環状に編んだ土台に、常緑樹のモミ、ヒイラギ、マツなどの葉を覆い、松ぼっくりや木の実、リボン、ベルなどを飾り付けて、家の戸口や部屋の中につるす。リースの輪は不滅を、常緑樹は永遠の命を表す。リースはギリシャ時代から結婚式や祭事で用いられてきたが、クリスマスの飾りとなったのは19世紀になってから。クリスマスで用いられるのはセイヨウヒイラギで、日本の柊とは種類が違う。ホーリー(holly)とも呼ばれ、古くから信仰された。とげのある葉は、キリストのいばらの冠への連想から受難を、赤い実は、キリストの血から死に至る愛を象徴するものとして、クリスマスにも取り入れられていった。リースを飾るのは、クリスマス4週間前の待降節(アドベント)から、1月6日の公現節(エピファニー)まで。待降節には、リースを横にして置き(またはつるし)、その上にに4本のろうそくを立て、日曜日ごとに1本ずつ火を灯していく風習があり、このリースをアドベントクランツ、アドベントリースという。