通夜や告別式などを行わないで、少人数が火葬に立ち会って送るだけの弔い方。法律で火葬が許される死後24時間後まで自宅や病院の霊安室などに遺体を安置した後、そのまま斎場などに送り、火葬して遺骨を持ち帰る。僧侶による読経などもない場合が多い。身よりのない人や経済的な余裕がない人などを対象にした、福祉的なサービスとしては以前から行われていたが、10年くらい前から一般に増えはじめ、まとまった統計はないが、東京都心部や関西主要都市周辺などでは葬送の3割近くにのぼるといわれる。通夜、葬儀・告別式を行う費用の平均が約230万円なのにくらべて、直葬は20万~30万円程度しかかからない。費用面だけでなく、平均寿命が延びたため、故人がかつての職場と関係が薄くなっていたり、高齢化で参列者が減っていることや、近所付き合いなどのコミュニティー関係が希薄なことも増加の一因とされる。第一生命経済研究所の調査によると、自分の葬式の規模として、家族だけでしてほしい人は27.4%、身内や親しい友人だけでしてほしい人は29.9%。葬式の形式にはこだわらない、と答えた人は62.7%にのぼった。