岩手県陸前高田市の伝統行事。1997年に岩手県の無形民俗文化財に指定された。毎年8月7日に気仙町今泉地区で開催されており、900年の歴史を持つといわれている。気仙町内の荒町、上八日町、下八日町、鉄砲町がそれぞれ1台有する、高さ約4.5メートル、重さ約4トンの山車(だし)を勢いよく衝突させあう「けんか」が祭り最大の特色。和紙や短冊、ぼんぼりなどで飾られた山車には太さ約50センチ、長さ約20メートルの杉丸太の梶棒が100本近くの藤づるでくくりつけられており、この梶棒を相手の山車にぶつける。1台の山車につき100~200人で綱を引いて「けんか」を繰り返し、相手陣営に自分の山車を侵入させた方が「勝ち」となる。また同祭りの囃子(はやし)、「けんか七夕太鼓」は78年に陸前高田市の無形民俗文化財に指定されている。2011年3月に発生した東日本大震災で気仙町は津波による甚大な被害を受け、「けんか七夕」に使用される4台の山車のうち3台が津波で流失。震災と同年の8月に行われた同祭りでは1台の山車を引き合うのみとなったが、12年8月、全国からの支援で新たに作られた山車との2台の山車での「けんか」が実現した。