折れたバットやバットを作る際の端材を加工して作った箸(はし)の名称で、福井県の箸メーカー「兵左衛門」の商標。木製バット材の国内供給量は、輸入材を含めて年間20万本以上あるが、プロ野球と大学野球の公式戦だけでも年間10万本以上が使用され、数万本が折損する。これまで、折れたバットはすべて焼却廃棄されていたが、これをリサイクルし、収益の一部を木製バットの素材となるアオダモの植樹・育成に使おうというアイデアで生まれた。アオダモは、バット材に最適とされる温帯性広葉樹だが、成長が遅く、植林もほとんどされてこなかったため、安定供給が困難な状況にある。そこで、NPO法人「アオダモ資源育成の会」が企画し、「兵左衛門」に製作を委託、バットの回収には日通航空が協力して、このシステムを作り上げた。アオダモの箸は2003年から発売していたが、05年ごろからリサイクルが始まり、テレビのエコロジー番組などでしばしば採り上げられるようになった。プロ野球各球団の球場やオフィシャルショップなどで購入できる。