トップレベルのスポーツ選手を対象とした総合トレーニング施設。日本では、スポーツ界の中核施設として東京都北区西が丘に建設され、2008年1月に供用を開始した。敷地内には、屋根付きの400mトラックを備えた陸上トレーニング場、屋内トレーニングセンター、屋内テニスコート、約250人を収容する宿泊施設があり、延べ床面積は約6万5000平方m。1000畳敷きの柔道場を始め、10種類の競技の専用練習場を備える屋内トレーニングセンターには、床の材質や体操競技の器具など、国際大会にあわせた環境が用意された。選手のプレーを解析するハイテク機器も利用できる。宿泊施設「アスリートヴィレッジ」でも、北京オリンピックの選手村と同じ食事を提供するなど、総合的に選手をバックアップする。さらに、隣接する国立スポーツ科学センター(JISS)との連携により、科学面からの選手の支援も期待されている。NTCの整備は、2000年に策定された文部科学省の「スポーツ振興基本計画」によるもので、利用は日本オリンピック協会(JOC)の強化指定選手などに限られる。利用料の3分の2は国が補助する。スポーツ強国とよばれる国の多くがNTCを設置しており、1951年に設置されたイギリスのNTCは、81万平方mの広大な敷地で知られる。