日本最古の巡礼で、観音巡礼の元祖ともいわれる「西国三十三所観音霊場」のすべての本尊を順次公開し、参詣者一人ひとりと「縁」を結んでもらおうという催し。同巡礼中興の祖とされる花山(かざん)法皇千年忌を記念する試みで、2008年9月1日、最初の寺となった京都市の清水寺(東山区)では、三十三霊場すべての住職が参集し、「開白(かいびゃく)法要」が営まれた。御開帳は2010年5月末まで。期間は霊場によって違い、3~4カ月ずつ4期にわたる寺もあれば、1期2週間限りという寺もある。本尊の多くが普段は見られない秘仏で、清水寺では8年ぶり、和歌山県の紀三井寺では21年ぶり、同県粉河寺に至っては217年ぶりの御開帳となる。「西国三十三所」は、観音菩薩が33の姿で衆生を救うという教えにちなみ、近畿地方と岐阜県に点在する33の観音霊場を巡る巡礼で、養老2(718)年、徳道上人が始めたものとされる。その後人々から忘れられたが、270年後の永延2(988)年に、花山法皇が復興。江戸時代には物見遊山を兼ねた娯楽ともなり、多くの参詣者で賑わった。現在でも、「四国八十八ヶ所」と並んで人気が高い。