ローマ法王(教皇)を選ぶための選挙会議。あるいは、法王選挙が行われる部屋及び選挙者集団を指すこともある。「cum=とともに」+「clavis=鍵」というラテン語が語源で、本来密室や立ち入り禁止の広間などの意だが、これが教会用語となったのは、異説もあるが1268年、法王クレメンス4世がイタリアのビテルボで没した際に、当地で行われた選挙からだとされる。もともとローマ法王は、ローマ周辺の聖職者や領主らが選んでいたが、世俗権力の介入を嫌って、選挙権を持つのは、1059年以来法王の最高顧問枢機卿(すうきけい/すうききょう)に限定されていた。しかし、この時は派閥争いなどで会議が紛糾、数カ月たっても後継が決まらなかった。そこでビテルボの人々は、フランチェスコ修道会総長ボナベントゥーラの勧めにより、18人の有権者を宮殿に閉じ込めて鍵をかけ、パンと水しか与えずに、選挙に専念させた。およそ3年後の1271年、ようやく選ばれたグレゴリウス10世は、74年のリヨン公会議でこれを制度化。以来コンクラーベは法王選挙の代名詞となった。2013年2月11日、法王ベネディクト16世は、高齢を理由に同月28日に退位することを表明。存命中の退位は、1415年のグレゴリウス12世以来約600年ぶり。現在のコンクラーベは、ミケランジェロの天井画で有名なシスティーナ礼拝堂で行われる。選挙権・被選挙権がある80歳未満の枢機卿は117人おり、事実上の互選により3分の2以上の票を得るまで投票を繰り返す。秘密保持のため投票用紙は焼却されるが、礼拝堂の煙突から白い煙が出れば選出決定、黒い煙なら未決を意味する。法王の死去または退位から15~20日の間に実施されるため、順当なら3月末までには新法王が誕生する見通し。