岐阜市の柳ケ瀬商店街にある人気大衆演劇場。豊富座は、明治末から浪曲専門の芝居小屋、第二次大戦後は映画館として親しまれたが、経営難から2002年末に閉鎖。07年12月に改装し大衆演劇場として復活した。オーナーは劇団「葵一門」の葵好太郎総座長。全国の劇団が月替わりで出演し、毎日昼と夜の2回、時代劇や舞踊ショーなどの公演が行われる。料金が3時間で1800円という値頃感もあって、市内外から多数の観客が訪れる人気スポットとなっている。客席数は約191で、来場客数は開業1年で約4万5000人を超えた。この人気とにぎわいを柳ケ瀬商店街再生の起爆剤にしたいと、劇場と連携した街づくりの試みが行われている。メーン通りには豊富座のロゴの入った垂れ幕やのぼりが立てられ、ポスターを張ったり役者への差し入れ用の商品を売り出したりする店もある。さらには、2010年度中に商店街アーケードの入り口を芝居小屋を意識した瓦屋根イメージに刷新したり、「チケットセンター」を設置、劇団の役者の手形を商店街の地面に埋め込んでファンが歩いて楽しめるようにしたり、柳ケ瀬本通りを「大衆演劇通り」と改名したりする計画などが進んでいる。